1.主による調理から技能としての式包丁、切る文化のDNA
ふるさと納税の返礼品、キッチン用品・食器・調理器具のランキングを見ると、1位から6位までが包丁である。平安時代の貴族社会では、年中行事や一家の祝賀、来客をもてなす料理は邸の主人が自ら包丁をふるっており、包丁さばきを一つの技能として食材に直接手を触れずに調理する式包丁も多くの流派が生まれた。(参考:ブリタニカ国際大百科事典)
そして、江戸時代には出刃包丁、菜切包丁、柳葉包丁といった用途別の包丁が登場したことで効率的な調理が可能となった。欧米で良く見かけるのが、空中で食材を切り落として鍋に直接入れているシーンである。口に入れる段階でナイフとフォークを使うので調理の段階での大きさは気にならないのだろう。
話が逸れてしまったが、日本では包丁を使うことを技能として式にまで高められ、用途に応じて包丁が使われることが文化として現代にまで脈々と続いているということが根底にあるように感じる。日本人には「調理=切る」というDNAがあるのだ。
2.返礼品としての上位独占の理由を推測する
さて、包丁がランキングの上位を独占する理由として、1つ目は、分ける、剥くという「切る」行為は調理する上では必須となっていることが挙げられる。
漫然と使っている包丁であるが、切る行為がDNAに深く刻まれた日本人が調理器具の画像を見ると、包丁に魅入られるということがあると思う。実際、筆者もその一人である。
2つ目の理由としては、刀鍛冶としての歴史のある地域の返礼品という事で「日本製の包丁」ということでの注目度も高いのではないか、特に岐阜県の関市は刃物産地として700年以上の歴史があり、世界の刃物業界では「3S」として別格扱いになっている。3Sは、ドイツのSolingen(ゾーリンゲン)、イギリスのSheffield(シェフィールド)、そして岐阜県のSeki(関)である。関市は貝印やフェザーの発祥の地ですが、ゾーリンゲンに本社を置くツヴィリング・ヘンケルスの包丁を製造していることは、刃物製造の技術の高さを明確に示している。
3つ目は、寄付金の金額が高額ではないことである。材質にも因るが、単品であれば1万円前後、セットで求めることも可能である。包丁は買換えのタイミングが難しいので、ふるさと納税の返礼品がきっかけとなっていることも大きな要素だと考える。
3.一般家庭で使われている包丁
ふるさと納税の返礼品で食料品をゲットして、自宅で料理をしようと思う人が増えていると思う。肉には牛刀、魚は出刃包丁で三枚におろして、柳葉包丁で皮を引いて刺身を切り、野菜には菜切り包丁・・・家庭でそれだけの種類の包丁が必要なのか。
実は、肉・魚・野菜の3種類の調理に使えるお得な包丁がある。牛刀と菜切包丁の良いとこ取りの包丁で、その名も「三徳包丁」。多くの家庭で使われているのが、この三徳包丁である。前出のツヴィリング・ヘンケルスも三徳包丁を関市で造っている。
次に材質だが、包丁の材質は、大きく分けて、鋼、ステンレス、セラミックの3種類があり、夫々メリットとデメリットがある。材質を選ぶうえで重要なことは、切味の持続性、丈夫さ、手入れのしやすさ(錆、研ぎ器が使えるか)の3点である。
家庭で使うことを考えると、ステンレス素材の包丁が使い勝手が良さそうである。ステンレスは価格的にもリーゾナブルであり、一般家庭ではステンレス素材の三徳包丁が使われている。
4.プロの料理人でも家庭では「包丁1本」
プロの料理人は家庭で料理をするのかが疑問であった。そこで、懇意にしている割烹、居酒屋、寿司屋、フレンチ、イタリアンのシェフに聞いてみると、意外にも、当たり前のように家庭でも包丁を握っていた。しかも、1本で済ましているという。では、どのような包丁を使っているのかを聞いてみると、図の方な結果であった。
5人中3人は奥さんが使っている包丁を使っている。フレンチBのシェフも奥さんと共用しているとのこと。理由を尋ねると、皆さん「楽だから」と言っていた。それと、家庭では奥さんも包丁を握ることもあり、また職場と家庭では調理場の環境も異なるため、このような回答になったのだと考える。因みに、割烹の大将は独身なので、自分が使いやすいものを使っているのだと推察する。
5.家庭で使うお勧め包丁のキーワードは「楽」
プロの料理人の口から出た「楽だから」というのは重要なキーワードである。割烹の大将は「使い慣れたものが良いし、小回りの利く短めが楽」「新人の頃に購入した長い包丁を毎日研いでいるので、短くなって使いやすくなったころには一人前になる。
プロは毎日研ぐことを前提に刃渡りが長いので、毎日研ぐつもりが無いなら初めから短くて良い」、居酒屋の大将は「まな板に合った包丁が良い」と言っていた。これは、大きな食材を切る必要が無ければ短い包丁が良いという意味である。
プロの料理人が異口同音で言っていたことを総合的に判断すると、一般家庭で使う包丁のおすすめポイントは「小回りの利く刃渡りが15cmから18cm」で「材質は錆に強いステンレス」ということになる。ステンレスと言っても実は、ステンレス刃物鋼、モリブデンバナジウム鋼、コバルト合金鋼、粉末鋼、複合材(クラッド材、ダマスカス鋼は波紋模様がキレイ)、等々、多くの素材がある。
6.厳選の5本をご紹介
関孫六 匠創 ディンプル三徳 165mm
刃体からハンドルまで継ぎ目を無くした、ハイカーボン特殊ステンレス刃物鋼製の一体成型の三徳包丁。刃渡り165mmの小回りが利くサイズと手入れが楽で、肉、魚、野菜まで幅広い材料に様々な霧方が出来る包丁。刃体のディンプル(くぼみ)により、カットした食材が刃体にくっつき難くなっている。
席孫六 ダマスカス 三徳包丁 165mm
日本刀を彷彿させる美しい32層のダマスカス模様の三徳包丁。木の年輪のような独特の波紋模様も持ち、耐久性に優れ、錆びに強く、鋭い切れ味の包丁。ハンドルは積層強化木だが、ハンドルと刀身の接合部分には口金が付いており、水分や錆をシャットアウトしている。
ダマスカス鋼:ステンレス複合材。古代インドのウーツという所で生産された鋼材がシリアのダマスカスで刀剣として加工され、ダマスカス鋼と呼ばれるようになった。鍛造時に独特の縞模様を浮かべ、単層構造の刀身とくらべ、錆びにくく、鋭い切れ味を持つ。(参考:孫六製作所HP)
ツヴィリング・ヘンケルス 雅 6000MCT 三徳包丁(刃渡り180mm)
ツヴィリング・ヘンケルス 雅 5000FC-D 三徳包丁(刃渡り180mm)
刃物3Sの一つ、ゾーリンゲンのツヴィリング・ヘンケルス社のペティナイフ。関市の工場で作られているmade in Japanの逸品。マイクロカーバイトステンレススチール製の三徳包丁。日本古来より伝わる名刀作りの伝統技術・和の美しさを受け継ぎながらドイツの最先端テクノロジーと融合。ハンマーフィニッシュ仕上げを施した美しい3層ブレード。
濃州政宗作 ダマスカス ペティナイフ(刃渡り150mm)
コバルト含有モリブデンバナジウムステンレス刃物鋼を採用したダマスカス ペティナイフ。日本ではペティナイフ(小さなナイフ)と言っているが、欧米ではピーリングナイフ(皮むきナイフ)と呼んでいる。刃幅が狭いため三徳包丁よりもスマートに見えるが、刃渡り150mmであれば、取り回しが楽な日常での料理に応用の効く1本である。
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ふるさと納税
「包丁・ナイフ」ランキング
2025年1月26日 更新