いまや国内の作付割合第2位の「ひとめぼれ」。令和元年度の作付割合は9.4%と、1位のコシヒカリ(33.9%)に大きく差をつけられてはおりますが、ひとめぼれの歴史を考えれば大躍進!それもそのはず、ひとめぼれの誕生は1991年(平成3年)。あれだけお店に並んでいるのに、平成生まれの若手だったのです!いつの時代も新しい流れというのは若い世代を起点に広がっていくもの。ひとめぼれも、お米の世界に大きな影響を与えました。その中にはお米界の「ルール」さえ覆すものも!
「ひとめぼれ」ってコシヒカリの子どもなんです!?
「ひとめぼれ」が誕生することになった背景には、昭和55年の東北地方の大冷害がありました。あまりの凶作により冷害に強い品種が求められるようになる中、宮城県大崎市の古川農業試験場において当時新潟県などで栽培されていた「コシヒカリ」が冷害の被害をあまり受けていないことが分かりました。しかし、当時のコシヒカリは倒れやすい、お米を枯らしてしまう「いもち病」に弱い、収穫時期が遅いため寒くなる時期が早い東北地方に向かない、という非常に残念な性質がありました。そこで「コシヒカリ」並みに美味しく、倒れにくく、かつ早く収穫できるお米を目指し、新しい品種を作り出すことに。その後さまざまな交配や育成を経て、最終的に選ばれたのが「コシヒカリ」と「初星」を両親とした、後の「ひとめぼれ」だったのです。
1991年の誕生から約30年。「ひとめぼれ」は現在、国内作付割合第2位。不動の1位を誇る親のコシヒカリパワーをしっかり受け継いでいるようですが、まだまだその差はまさしく親と子ほどの遠いもの。コシヒカリを抜く日はまだ遠いようです。
ちなみに「初星」は、1977年に愛知県で誕生したコシヒカリを親に持つお米。背が低いことから倒れにくく、早く収穫でき、病気にも強い、という親のコシヒカリの正反対みたいな性格にも関わらず、味わいはコシヒカリのちょっと下という優れものです。
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今ではおなじみの「ひとめぼれ」のネーミングも、当時のお米界の常識をくつがえす大ニュースだった!
すでに誰もがしっている「ひとめぼれ」という名前。しかし、わずか5文字のこの名前が、当時のお米界の「ルール」をガラリと変えてしまっていた、って知ってました?実はもともと、新しい品種として誕生したお米には、名づけのルールが決まっていました。簡単に言うと、国や国指定の農業試験場によって育成された品種にはカタカナ、国ではなく都道府県が育成した品種には平仮名や漢字で名づけすることに。また、その品種を育成した機関が名づけ親になることが一般的でした。
しかし、1991年に誕生した「ひとめぼれ」がその全てをくつがえします。国指定の宮城県古川農業試験場で育成したにも関わらず、平仮名5文字の「ひ・と・め・ぼ・れ」。しかも、全国から応募された名前の中から選ばれました。そして、これをきっかけにお米の名づけは一気に自由路線へ。ある意味、この名づけ時点での半端なさ、が後にスーパースターに登りつめる第一歩だったのかもしれませんね。
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お米界の下克上!?一気にスターダムへのし上がった「ひとめぼれ」
1991年に誕生した「ひとめぼれ」。当時の日本国内のお米の生産はどうだったか、と言うと、味わいの王者・1位の「コシヒカリ」と、コシヒカリと反対のさっぱりした味わいでお魚に合うと評判だった「ササニシキ」。この2大巨頭がゆるぎない地位を築いていました。しかしその牙城を「ひとめぼれ」は崩すことに。転機は、誕生からわずか2年後の1993年。みなさんも記憶にあるのではないでしょうか「平成の米騒動」。再び訪れた東北地方の大冷害と九州地方の台風によって国内のお米は大凶作。店頭からは国産米が消え、私たちが目にしたことがなかった細長い「タイ米」が大手を振っていた、あの騒動です。
その結果、注目されたのが「ひとめぼれ」の冷害への強さ。「平成の米騒動」をきっかけに、主に東北地方のお米の生産者が次々とひとめぼれの生産へシフトしていくことに。1993年度産米の国内作付割合では、「ササニシキ」が9.5%の第2位、「ひとめぼれ」が1.6%の11位だったのですが、わずか2年後の1995年には「ひとめぼれ」が6.0%と堂々の第2位、「ササニシキ」は5.1%の4位に陥落してしまったのです(作付割合は、旧食糧庁「米穀の品種別作付状況 米麦の集荷等に関する基本調査結果」より)。そして今や、近年不動の第2位の地位を誇る「ひとめぼれ」に対し、「ササニシキ」は昨年(令和元年)産米で上位20位までにランクインすらできなくなってしまいました。
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宮城の雪解け?「ひとめぼれ」と「ササニシキ」がそんなことに!
お米界の新星として、またたく間にのし上がり、かつての宮城県産米の王者「ササニシキ」を追いやった「ひとめぼれ」。そんな宮城の米騒動も、ついに雪解けの日が!2015年、なんと「ひとめぼれ」を生み出した宮城県古川農業試験場から「ひとめぼれ」と「ササニシキ」を両親に持つ「ささ結(ささむすび)」が誕生したのです!
もともと、粘りの少なさやあっさりとした味わいが「和食やお寿司に合う」と人気だった「ササニシキ」が衰退してしまった理由は「冷害への弱さ」でした。それが、「ひとめぼれ」と合わさることで克服。次代の和食米として注目を浴びています。
しかし、残念ながら「ささ結」は宮城県大崎市周辺で栽培されたこのお米につける通称で、正式な品種名はいまだ「東北194号」。別の地域では「いくよちゃん」という名前で販売されています。まだまだ知名度が低いだけに、今のうちから要チェックです!
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2025年2月15日 更新